インドの訴訟は20年があたりまえってご存知ですか?~インド進出成功術(1)

はじめに

インド進出企業の守護神、経験30年の国際弁護士原口です。

インドは魅力に溢れる市場です。
でもあなたの会社がインドに進出するにあたり、不安に思うことはありませんか。
確かにこの記事を読めば、インドでは訴訟が多発し、あなたの会社が訴訟に巻き込まれると20年にもわたることに驚愕するかもしれません。
でも恐れる必要はありません。あなたの会社がインドにおける訴訟に巻き込まれることを回避することは十分に可能なのです。この記事を読めば、どうしてインドでインドでは訴訟が多発するのか、あなたの会社がインドにおける訴訟を回避する秘策はなにか、がわかるとおもいます。
どうかこの記事を最後まで読んで、
あなたの会社もインド進出成功術を身に着けてください。
さあはじめますよ。

インドにおいて裁判が長期化する理由

インドの法律は信用できるのでしょうか。
多くの方はいいえ、と答えます。
しかし、答えはイエスです。

インドは1947年に独立するまで89年間もイギリスの植民地でした。
英国の法律制度の影響を強く受け、法律制度そのものに問題がありません。
とくに契約については、契約社会である英国の影響を強く受けており、
契約に書いていないことについて、拘束されることはありません。
あなたの会社も必要なことを契約に書き込めばよいだけなのです。

しかし、英国流の法制度になじんでいるインド人は、
日本人のように裁判による紛争の解決に抵抗感はありません。
インド人やインド企業と紛争になると、すぐにあなたの会社に裁判を起こしてくるのです。

インドの人口は膨大、裁判官の数が足りない。

インドの裁判官に問題があるのではありません。
裁判官は優秀で、欧米の裁判所の裁判官と全く同一のレベルです。

しかし、インドの人口は13億人で、訴訟の数も膨大です。

また、優秀な裁判官の数は少なく、
訴えを提起されてから、第一審の判断が下されるまでに、
5年以上、

一審の裁判が不服として、控訴された場合、あなたの会社は
20年以上も裁判に巻き込まれてしますのです。

インドにおける訴訟は絶対に回避すべき

裁判にこれだけ時間を費やされると、あなたの会社は仮に勝訴したとしても、
訴訟対応の時間や弁護士費用などであなたの会社は莫大な損失を被ってしまいます。
インドにおける裁判はできるだけ避けることがあなたの会社にはどうしても必要なのです。

インドにおける裁判を避ける一つの方法

インドにおける紛争は必ずインドで裁判を要するか

それではあなたの会社はどのようにして、インドにおける裁判を避けるべきなのでしょうか。
それにはいくつかの方法があります。

今日はシンガポールの仲裁を利用する方法をご説明します。
先ほどお話をしたように、インドは英国流の契約社会ですので、
契約で裁判をする場所を決めることができます。

とはいえ、裁判をする場所を日本と定めても、日本の判決をインドで執行することはできません。

そこで、裁判ではなく、仲裁という方法が考えられます。

インドにおける紛争を外国で解決することはできるか。

仲裁とは当事者が裁判ではなく仲裁人の判断に従うことを合意することです。
この仲裁もインドで行うと長期化の危険があり、
日本で仲裁を行うことは、インド側の抵抗が大きすぎます。
実務上は、シンガポールにおける仲裁が選ばれるのが通常です。

シンガポールで仲裁をするメリット

シンガポールは日本とインドの中間地点で、
インド同様に英国の植民地で、英語の契約書の仲裁を英語で行います。
迅速さや公平さも、また実績の点でも、日本やインドの仲裁を凌いでいます。

インドも日本も同一の条約に入っているので、シンガポールの仲裁判断は、
日本においても、インドにおいても執行することが可能です。

シンガポールで仲裁をする方法

インドは契約社会です。
紛争の解決地を契約書で明確にしておかなければいけません。
あなたの会社もシンガポールにおける仲裁を契約書において明確に記載する必要があります。

例えば次のような条項をあなたの会社が締結する契約書の中で明確にする必要があります。

「Any dispute arising out of or in connection with this contract, including any question regarding its existence, validity or termination, shall be referred to and finally resolved by arbitration in Singapore in accordance with the Arbitration Rules of the Singapore International Arbitration Centre (“SIAC Rules”) for the time being in force, which rules are deemed to be incorporated by reference in this clause. The Tribunal shall consist of3 arbitrator(s). The language of the arbitration shall be English.] .」

(和訳)

「この契約からまたはそれに関連して生じるすべての紛争(この契約の存在、有効性または終了に関する紛争を含む。)は、その時点で施行されているシンガポール国際仲裁センターの仲裁規則(引用されることにより本条項に組み込まれる。)に従いシンガポールにおける仲裁に付託され、それにより最終的に解決されるものとする。仲裁廷は、3  名の仲裁人により構成される。仲裁言語は、英語  とする。」

最後に

インドは契約社会で、訴訟社会です。

インドで紛争になると、あたなの会社はインド人からすぐに訴えを提起され、
20年にもわたる裁判に巻き込まれます。あなたの会社は
インドにおける訴訟をなんとしても避けるべきです。

今日お教えした秘訣の第一は、あなたの会社がシンガポールで仲裁をすることです。

インドも日本も仲裁に関するニューヨーク条約に加盟しているので、
シンガポールにおける勝訴裁定をインドにおいて、新たに
裁判をすることなく
強制執行することができるからです。

ただ、そのための契約交渉や契約書の作成、

シンガポールにおける仲裁、勝訴裁定の強制執行など
全ての法的手続きをあなたの会社がインドで、英語で行うのは大変かもしれません。

経験豊富な国際弁護士にあなたの会社の案件を依頼することがおすすめです。

 

 

もっとおすすめなのは、国際弁護士の先生に、
あなたの会社の顧問の弁護士になってもらい、あなたの会社のインド進出の
初期からあなたの会社特有の法的リスクについてアドバイスをしてもらうことです。

どうですか、参考になりましたか。

それではまた。

 

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